計画班B01-P03
「顔と身体表現における感覚間統合の文化間比較」

概要と目的

トランスカルチャー状況にある現代社会において、文化的背景の異なる他者と円滑なコミュニケーションを実現するためには、自身の感情の表出、そして他者の感情の知覚を媒介する顔と身体表現の普遍性と文化特異性を知ることが不可欠である。感情の知覚には顔や身体表現(視覚情報)のみならず、声(聴覚情報)も利用され、感覚間統合が本質的な役割を果たしている。本計画班では顔・身体・声の認識様式の文化的多様性の根源として、感覚間統合を含む「情報統合」に着目する。そして、幼児期から成人にかけて感情知覚における複数情報統合の様式がどのように変化するのかを比較文化的に検討し、得られた知見を統一的に説明する理論的枠組みの提唱をめざす。

手法と対象

顔と声からの感情知覚を軸として、以下3点に関する検討を進める。実験では、感情の判断や評定などの行動指標を用いた顕在処理過程の検討と、視線計測や生理計測を用いた潜在処理過程の検討を併用する。(1)複数情報統合の発達過程の文化間比較を実施し、感情知覚はどのような認知機能と関連しながら発達し、文化差が生まれるのかを明らかにする。(2)他者の感情を知覚した結果、自身の中にどのような感情が喚起され、どのような社会的行動につながるのかを比較文化的に検討する。(3)海外から日本への移住者を対象とした実験を実施し、「文化獲得の臨界期」の有無を明らかにする。また、課題遂行時の脳活動を計測し、感覚間統合の異文化再適応過程を明らかにする。

メンバー構成

  • 研究代表者:田中章浩(東京女子大学・教授)
  • 研究協力者:山本寿子(東京女子大学・特任研究員)
  • 研究協力者:髙木幸子(常磐大学・准教授)
  • 研究協力者:河原美彩子(東京女子大学・大学院生)
  • 研究協力者:澤田佳子(東京女子大学・研究補助員)
  • 研究協力者:大屋里佳(東京女子大学・大学院生)
  • 研究協力者:Mariska Kret(ライデン大学・助教授)
  • 研究協力者:Disa Sauter(アムステルダム大学・助教授)